チック障害

チックとは、顔面や頚部、四肢などの限定的筋群に突発的、反復的に現われる、急速で持続時間の短い、常同的な不随意運動をいいます。

 チック障害には、特定の身体部位の震えや頻繁な瞬きのような〔運動チック障害〕と奇声をあげるなどの〔音声チック障害〕と呼ばれる二つの種類があります。

 また、非常に素早いチックではなく、やや動きが遅い、ちょっと見ただけでは何かの目的があっての動きにも見えるようなゆっくりした、しかし繰り返されるチック症状とがあり、素早いチックの方を〔単純チック〕、ややゆっくり見えるものを〔複雑チック〕と呼んで区別しています。

 

チック障害の分類 

運動チック障害   
素早い瞬きや首振り運動などのような単純運動チックと顔の表情を異様に変化させたり飛び跳ねたりする複雑運動チックとがあります。

 
音声チック障害   
連続的な「咳払い」や「カチカチ」「フンフン」「ドン」などと言うような単純音声チックと、その場の雰囲気に馴染まないような単語や、句の繰り返しなどをする複雑音声チックとがあります。

 
チック障害は、多くの場合、幼児期から18歳未満の年代に多く発症します。出生1000人当たりで4~6人に発症するとされ、発症のピークは5~8歳、症状のピークは9~12歳で、それ以降は減少します。また、男児の方が発症率が高く女児に対して3倍ほど多くなっています。

 


チック障害は
どんな病気ですか?

チックとは、自分でやろうとしてではなく、自然にそうなってしまう不本意な運動障害で、顔面や頚部、四肢などの限定的筋群に突発的、反復的に現われる、急速で持続時間の短い、常同的な不随意運動です。

 最も典型的なチック障害は、何度でも繰り返される頻繁な瞬きや頭を振る運動などのような、決まった行動を突発的に頻繁に繰り返す障害です。

 この障害は、以前には心理的要因によって誘起されると考えられていましたが、現在では身体的疾患であるとされています。

 多くの場合、チック障害は幼児期から18歳未満の年代に多く発症し、4週間以上持続しますが、一定期間内で消失します。チックが発症し、一年未満で消失した場合には〔一過性チック障害〕と呼びます。これに対して、一年以上継続する場合には、〔慢性チック障害〕と呼んでいます。

 チック障害は、出生1000人当たりで4~6人に発症するとされ、発症のピークは5~8歳、症状のピークは9~12歳で、それ以降は減少します。また、男児の方が発症率が高く女児に対して3倍ほど多くなっています。

 

チック障害の症状   

チックは、瞬間的、継続的に繰り返される独特な運動や発声をいいますが、その動作はそうしようと意図して行うのではなく、そんなことはしたくないのに自然にそうなってしまう不随意運動として起こってしまいます。

 通常、チック発作の動作速度は0.5~1秒程度で繰り返され、それほど長くない一定時間で治まります。この一連のチック症状から、次のチック発作までの時間間隔は、数分の場合もあるし、数時間、あるいはそれ以上間隔が開く場合もあります。

 このようなチック発作の症状は、大きくは〔運動チック症状〕と〔音声チック症状〕とに分類されます。

 また、特定な身体部位が瞬間的に不随意運動を繰り返すような〔単純チック症状〕と、それに比べれば何かの目的を持って動いているようにも見える比較的動きの遅い〔複雑チック症状〕とにも分類されます。

 チック障害での独特な運動や発声は不随意的に発生してしまい、特別な目的はありません。その運動や発声は、特に意識すれば一定時間停止することができます。また、睡眠時には現われることはありません。

 チック発作は、読書したり、スポーツ中、趣味の作業中、テレビゲーム中などのように何かに熱中しているときには発症しないことが多いですが、反面、極端な疲労時や緊張する場面、緊張が解けた場面などには発症しやすくなります。

 


チック障害の種類と症状 

運動チック障害
運動チック障害には、その現われ方として単純な繰り返し的な〔単純運動チック障害〕と、より複雑な身体部位の変形や運動を伴う〔複雑運動チック障害〕とがあります。

複雑運動チック障害   
複雑運動チック障害では、顔の表情を何度でも繰り返して異様に変えたり、飛び跳ねたりする、物の匂いをかぐ、あるいは地団太を踏むような不随意な症状を呈します。

 
音声チック障害   
音声チックにも〔単純音声チック〕と〔複雑音声チック〕とがあります。

 単純音声チックでは、連続的な咳払いや連続的に「カチカチ」「フンフン」「ドン」などという音声を発します。また、豚のように鼻を鳴らしたり、鼻をくんくんさせて匂いをかいだり、吠えたりします。

 複雑音声チックでは、その場の雰囲気に馴染まないような単語や句を繰り返したりします。

 特に、社会的に許容されないような卑猥な言葉を発する〔汚言症〕や、他人の言葉を繰り返す〔反響言語〕、あるいは同じ音声や単語を繰り返す〔反復言語〕などの症状がある場合は、〔特異的複雑音声チック〕と呼ばれます。


チック障害の原因   
以前には、チックは心理的要因によって誘起されると考えられていましたが、現在では、〔一過性チック障害〕→〔慢性チック障害〕→〔トウレット症候群(TS:Tourette Syndrome)〕へと連なる一群の身体疾患であると考えられています。


チック障害の診断
チック障害の直接的な検査方法は明確ではありませんが、DSM-Ⅳ(アメリカ精神医学会発行の「精神疾患の診断・統計マニュアル」)による診断・鑑別診断法があります。

 症状から通常実施されるような検査では特別な異常が見つけにくく、脳腫瘍などの異常がないか確認するためにCTやMRIでの検査などを行って、除外診断検査を行うことがあります。

 DSM-Ⅳ-TRでの診断基準を示しますが、このような診断は、18歳未満での発症であることと、これらの検査などで特別な身体的疾患や薬物刺激がないとされた上で、次に示すような状態であればチック障害と診断されます。

 


トウレット障害(トウレット症候群)   
複数の運動チック、および1つまたはそれ以上の音声チックの双方が本障害の経過中の若干の期間同時に存在する。チックは一日あたり何回となく、ほとんど毎日または間欠的に、1年以上の持続期間を通して生じ、かつ3か月以上の間にチックがまったく発症しない時期はない。


慢性運動チック障害   
単発または複数の運動チックが一年以上の期間を通して、ほとんど毎日、または間歇的に、1日に何回となく生じる。3か月以上の間、チックが全く存在しない時期はない。

慢性音声チック障害
単発または複数の音声チックが一年以上の期間を通して、ほとんど毎日、または間歇的に、1日に何回となく生じる。3か月以上の間、チックが全く存在しない時期はない。

一過性チック障害
運動チック、あるいは音声チック、またはその両方が少なくとも4週以上毎日生じるが、12か月以上連続することはない。


特定不能のチック障害
   トウレット症候群や慢性チック障害、あるいは一過性チック障害に当てはまらないにもかかわらず発症するチック障害です。たとえば、18歳以上となっての発症やチック発作が発症したものの4週間未満の持続などです。

 

チック障害と鑑別される疾患
症状が似ていてもチック障害とは別の疾患であるとして鑑別される疾患には、次のようなものがあります。

ミオクローヌス   
一つあるいは多くの筋の不随意な不規則運動であり、錐体外路系の均衡が障害された状況下で起こります。

振戦   
緊張したときなどに限って手が震えたり、声が震えたりする律動的で規則的な拮抗運動をいいます。

てんかん   
脳神経細胞を制御している電気信号に異常が発生して、独特な発作を起こす疾患です。身体の一部の痙攣、恐怖感、奇妙な匂いや味、錯視、幻視、幻聴、感覚、感情の異常が起ります。

ジストニア
   筋緊張の異常亢進が原因で、体幹の捻転や胸郭の傾斜、頸の捻転、肘の過伸展、指の過伸展を呈するような異様な姿勢をとる疾患です。

 
シデナム舞踏病
   リウマチ熱のひとつの症状であり、小舞踏病とも呼ばれます。学童期の女子に発症することが多いですが、数日~数か月で治癒します。

 
アテトーゼ
   自分の意思に反して行う付随運動で、ゆっくりと捻るような運動を休みなく繰り返す特徴があります。脳性麻痺などが原因となります。

 
発作性ジスキネシア
   口唇を中心とした不随意運動で、絶え間なく舌を捻転させたり、前後左右に動かしたり咀嚼したり、口唇を動かしたりする疾患です。

 
バリスム
   粗大で躯幹近位部に強く起こるような上下肢を投げ出すような激しい不随意運動です。脳血管障害によるものが多く、多くは中年以降に起こります。

 
癲癇
   いろいろな筋の痙攣で不随意な収縮です。反復する時は間代性痙攣と呼び意識して停止することができません。

 
強迫行為
   強迫行為とは、やりたくないのにやってしまう行為をいいます。

 
神経癖
   神経癖は、爪噛みや髪いじりなどのような一種の癖であり、随意的に中断が可能であり、行為自体には意味や目的がああります。
 
 
 

   
チック障害の治療方針
   チック障害はその原因が完全に解明されていないこともあり、治療法についても完全に確立した方法はありません。

 しかし、その症状自体やチックによって心身に悪影響が及ぶような場合には、薬物治療や精神療法が行われます。また、多くの場合、家庭生活における家族との関係などが影響していることから、家族療法と呼ばれるものが必要となります。

 

チック障害の薬物療法   
 チック障害が単純性チックである場合なら、ほとんどが一過性チックであり、多くの場合一年以内に自然治癒し、青年期前には完全に治まるので、薬による治療は行う必要はありません。

 チックが重症の場合には、抗不安薬や抗ドーパミン作用の強い神経遮断薬(抗精神病薬)が用いられることがありますが、小児に対し長期にわたり使用すると脳の発達に悪影響を与える可能性があり、避けるべきです。

 10代後半になっても重度のチック症状が残っている場合には、慎重さは要するものの、「ハロペリドール」や「ピモジド」などの医薬は有効であるとされ、使用される場合があります。また、作用の緩やかな漢方薬については、副作用も少ないとされ使用されます。
 
ハロペリドール   抗妄想・幻覚作用などを有する、中枢神経のドパミンD2受容体を遮断する医薬であり、トウレット障害や統合失調症の治療薬として使用される。

 パーキンソン症候群(振戦、固縮、小刻み歩行など)や急性および遅発性ジストニアなどの症状を発症する副作用がある。

 
ピモジド   心の不調を調整する医薬で、神経の高ぶりや不安感を鎮め、気持ちを穏やかにします。統合失調症や子供の自閉症の治療などにも用いられます。

 手の震えや身体のこわばりなどの副作用がでることがあります。

 
リスペリドン   脳の中枢に直接作用して、ドーパミンD2受容体拮抗作用などにより統合失調症の陽性症状及び陰性症状を改善する作用があります。

 不眠や便秘、めまい、口の渇き、動悸、体重増加、ふるえ、意識朦朧、眠気、倦怠感、鼻づまりなどの強い副作用があります。

 
漢方薬   抑肝散、抑肝散加陳皮半夏、半夏厚朴湯などの漢方薬が使用されます。怒りっぽさが改善されるなどの効果があります。特別な副作用は知られていません。

 
  
 


チック障害の精神療法   チック症状が出そうになったら、そのチックと競合する運動などをゆっくり行います。

 基本的に、「症状への気づき」「競合反応訓練」および「周囲の支援」によりチック症状を軽減させるように訓練します。

 たとえば、顔をしかめるチックがある場合、鏡の前でチックを観察させ、一定時間に何回くらいチックが出現したかカウントさせます。次に、ゆっくり笑顔をつくるような訓練をさせます。うまく笑顔が作れたら、必ず褒めてやり、励まします。
 

チック障害の家族療法   チック障害は、心理的影響を受けるものの真の原因は身体疾患であることを家族は理解しておくことが重要とされます。

 育児やしつけの問題ではないので、過保護にするのは良くないとされています。通常、チック障害は青年期以降は自然に治癒することを家族も本人も理解しておくことが必要です。それにより、本人も家族も不安を解消するのがよいです。
 

チック障害の予後   チック障害は、幼児期から18歳未満の時期に発症しますが、多くは一年未満で消失する一過性チック障害であり、一般に予後は良好です。

 一年以上継続するような慢性的チック障害もありますが、青年期を過ぎても継続するのは、無しとはしませんが、稀です。

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